その日、帰り際に次会う約束をした。

その日からずっと、メッセージは途切れていない。基本的には毎日1、2往復くらい、続いている。



2回目に会った時は車を出してくれて、きれいな景色が見られる展望台に連れて行ってくれた。



空が近くなるちょっとした高台のベンチで並んで座って、そのときすこしだけ指先が触れた。


夜空に煌めく無数の星たちに監視されながら、彼の整った横顔を盗んだ。



目が合って、はじめて会ったときのように柔らかく甘く目を細めて笑うから一定のリズムを刻む心臓が、すこし、早くなった気がした。



交錯する視線を逃してはくれなくて、月のあかりに照らされて可視化されたみたいだった。




触れていた指先がすこしだけ絡んで捕まるのを、無言で肯定した8月の終わり。