低温を綴じて、なおさないで



壊れそうで脆いきみが壊れないように、やさしく抱きしめた。長年の拗らせすぎた想いが飛び出さないように、全て栞に合わせた。


とにかく何よりやさしく、甘やかすように、きみの涙と悲しい気持ちが薄まるように、願った。




泣かないで。泣かないでほしかった。

ずっと笑って幸せでいてほしいなんて俺のエゴだけど、どうか、泣かないでほしかった。


だけど言えば言うほど栞の瞳からは大粒の涙が溢れ続けていた。俺の低温が栞の体温に重なって溶けて、いつかの夢のようだと思い浮かべていた。