「栞ちゃん? はじめまして」




“葉月”と設定された連絡先を送ってもらって、何往復かやりとりをしてから実際に会ってみることになった。



待ち合わせの10分前にはすでに到着していた彼。


たくさんの待ち合わせが集まって、それぞれの相手を待つ群衆の中で、わたしを待つそのひとを考えるまでもなく認識できた。



やっぱりうっすら、記憶にあった。


脳内フォルダから引っ張り出してきた男の子がそのまま成長していて、一際背の高いスタイルに目を奪われかけた。