「ただの幼なじみだったら。高校のときも、この間も、あんなふうに慰めたり、しない」
「わ、たしだって、ただの幼なじみなら、いますぐ殴ってるし、甘えない、」
そのままあまく刺激を受けて、いつもより強引なのに、やっぱりやさしすぎて甘すぎて、変になる。腰が浮いて、生理的な涙が滲む。
直の甘い視線とわたしの視線が交錯して、そのままそれはゼロ距離、唇に甘さが乗せられて流し込まれる。
「こんな乱暴にしてごめん。でも俺がいちばん、栞の心も身体もわかってるから」
「……乱暴、なんかじゃない。どうにかなっちゃいそうなのは、直だから」
「……っなあ、ほんと、理性飛ぶから、」



