低温を綴じて、なおさないで



「直がいい、わたしだってずっと、直がよかった、」


「……ごめん、もう無理。今から抱く。たぶん、やさしくなんかできない」


「しないで、しなくていい、直がしたいようにしてよ」


「……あんま煽んな」




色っぽさを宿した双眸にとらえられて、首元に直の顔が埋まって、肩が震う。



スウェットの中に直の手が侵入してきて身体に熱が集まっていく。触れる手がやっぱりつめたい。そのつめたさが甘くてどうしようもなくなる。


ぱちん、と簡単に外れる胸元の苦しさ。その苦しさとともに、拗らせすぎたきみへの想いも吐き出したくなった。