近づいて、されるがままキスを受け入れる。わたしの呼吸のタイミングを考えてくれていない。直からされてるものとは到底思えなかった。
なのに、触れる手も唇もつめたくて、どうしたって直だった。嫌だとも思わない。拒もうと思わない。たぶん、どんなに無理やりされても、いい。
「俺は“栞なら”なんて考えたことない。栞が、いい」
「……な、お」
「ずっと、栞だけがいいって思ってる」
──ねえ、それは、どういう意味。
言葉の意味をそのまま受け取って、解釈してしまって、いいの？
「栞が隣にいてくれれば、それでいいから」
「……でも、わたしたちはただの幼なじみで──、」
「違う、黙って」
