家に着いて、土日に作り置きしたおかずをあっためて、洗濯物を片付けて、メイクを落としてお風呂に入る。
筋膜ローラーでむくみを殺して、直に誕プレリクエストした美顔器でスキンケア。直と会う夜のルーティン。大体のことは全て終わらせてから公園に向かう。
これからだって、ご飯はあっためるし洗濯物は片付けるし、筋膜ローラーは必須だし、直にもらった美顔器も使い続けるけれど、その後の直との時間がなくなるかもって考えたら、表情筋がさみしさを作り出す。
もう消えた、あのときの首元の赤い跡。腰のものも胸元のものも消えてしまった。
ねえ、あれがわたしと同じ気持ちの独占欲だったなら、良かったのに。
わたしの人生の中心が、直なの。もういっそ、幼なじみだなんていちばん遠くていちばん近い関係なんかじゃなければ良かった。
今から言いにいかなきゃいけないのに、離れるなんて考えられない、想像もできない。
今度こそ、綴じるから。この赤さが消えたように、この想いも消せるはず。
きみの低温と一緒に、なかったことに、するから。
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