直との関係をまっさらにしたら、もう一度目を見てまっすぐ、茉耶と話したい。逃げ続けたくない。茉耶との関係はこれで終わらせたくない。きちんと、修復したかった。
4限まで授業を受ければ時刻は17時を過ぎる。あたりは紺色に染まって、街灯を頼りにしなきゃ周りのひとの表情はおろか顔すらわからない。
真っ暗でわからなくてわたしたちのことがバレないのをいいことに、去年、恋人のいない期間は直に送ってもらっていた。
中学までは当然に一緒に登下校していたから、その続きみたいで嬉しくなった。たまに一緒に肉まんを食べたり、月あかりが照らすきみの横顔を見上げたり、なんてことのない瞬間が、どうしようもなくだいすきな日常だった。
その日常を、手放すとまではいかないけれど、当たり前じゃなくさせるのがいやで、見ないようにしてきた。きっと、その何気なさを受け取っていいのは、恋人だけなの。幼なじみじゃない。



