だからもし、直の彼女になる子に条件があるのなら。それが“黒髪ショートボブ”であるのなら。 別れてはすぐ新しい彼女ができる。彼女ができるたび、いちばん近くにいるのに、って思ってた。 「……直、わたしのこと、すき?」 なぜだかわからないけれど、直はすっごく寝ぼけていて、たぶん、わたしをわたしと認識していない。まどろみの中へ、本物の答えが返ってこないことを確信して投げかけた。 「うん、大好き」