そのまま腕を引かれて、直と同じようにベッドの上に沈まされてしまった。正確には、直の上にまたがるようにして、押し倒しているみたいな体勢にされた。
バランスを崩して、直の顔の近くで手をついてしまった。背中に直の腕がぎゅっと回されて、目の前には甘さを携えたきみの双眸。
そのときは、ベッドの上、直のパーソナルスペースの内側、こんなに至近距離で見つめられたことも密着したこともなくて心拍数が急上昇した。
いつもの柔らかさと爽やかさではない、きみの熱っぽい視線はわたしだけを絡め取って奪っていく。どうしたらいいのかわからず、動けなかった。
背中に回った左腕はそのままでわたしを離さないと言わんばかりに固定して、もう片方がわたしの頬をなぞって、とらえた。
ふにゃんと笑った直がやさしく目を細めたのを確認して、寝ぼけてるんだとわかった。こんな姿を見るのは、はじめてだ。



