茉耶もそうだ。茉耶は結果として、直のことをすきではなかったかもしれない。けれど茉耶に対してひどいことをしていたのは事実で、直と離れたくない、取られたくない、で済ませていいことではないと思う。
これから直が、わたし以外の誰かと結婚するとなったとき。こんな関係を続けていてはいけないと思う。
もうずっと、直に甘え続けてしまっていた。
生まれてから今日まで、直が隣にいてくれる生活に慣れすぎて当たり前になっていた。
直とわたしの人生は、ふたつの線が平行に伸びる。ふたつはひとつに重なることはないから、その距離をすこしずつ遠ざけなきゃいけない。



