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あの日から恨めしいくらい太陽はきらめいて世界を照らすのに、わたしの心はちっとも晴れなくて、どんよりしている。



あれからしばらく、茉耶と話せていない曇り空な日々が続いている。もう何日も大学に来ていない気がする。


講義に出ていないから、勝手ながら代返してレジュメにメモを取っておくくらいしかわたしにはできることがない。



最後に見た茉耶の泣きそうでくるしそうな顔が離れなくて、いたずらっぽくかわいく笑う顔が思い出せない。




たぶん、なんとなく、何が起こっていたのかは理解できる。こうだろうな、と考え始めてしまえば、答えに辿り着くのは簡単だと思う。


思い返せば、ヒントはたくさん散らばっていて、ひとつひとつを知らないふりして目を逸らしていただけ。



けれど、あまり考えたくなくて答えに辿り着くのを先延ばしにしていた。それも自分のためだからわたしはつくづく性格がわるい。


ひとつの正解を繋げてしまったら、葉月くんとの話をずっとし続けていたこの数ヶ月が罪悪感となってわたしを飲み込んでしまうから。




何も考えたくなくて、一度読んだ里見先生の小説を読み返してみたけれど、なにも頭に入ってこない。