──それからの私。 空っぽになったこころを埋めるように、他のひとを求めた。こころを埋めるのに、相手の心はいらない。身体だけでいい、むしろ身体だけの関係がよかった。だって矢野さんがそうだったから。……でも、無理だった。 満たされない、惨めで虚しくて、いつも泣いていた。 誰と身体を重ねても、どんなにやさしくされても、たった一度のあの夜ほどの充足感を得られなかった。