低温を綴じて、なおさないで



拒否、なんてもうできないところまで来ていたし、このあと、続いていくこともやめてしまうことも、どちらも終着点がわからずされるがまましかなかった。




「や、矢野さん、私のこと、すき……?」


「うん、かわいいし、好き」




全然、ためらいがなかった。その言葉を聞いて顔を上げて目を合わせたら、熱っぽく温かな光が灯った双眸に捕まった。


私のすべてを求める色っぽさ、これまでこんなふうに求められたことなんて当然になくて、それが自分の価値みたいに感じて、鼓動がさらにはやくなっていった。



……じゃあ、いっか。私のこと、すきなら。




ぎゅうっと甘やかすように抱きしめられてから、身体が離れて、確認するように私を見下ろした甘い瞳。