低温を綴じて、なおさないで




たくさんの話題をふたりで共有した。

学内のこと、サークルのこと、今の私じゃちんぷんかんぷんなシラバスのこと、学食事情。



このサークルでは、先輩と後輩のサークル内恋愛が多いこと、とか。例年、この新歓でカップルができるのだとか。



そんなことをわざわざ伝えてくれるせいで、私の心はどんどん奪われて、たったの数時間で恋心が濃くなっていった。そうなれたらいいなって、抗えず、思ってしまった。




だから、あなたのあぶないお誘いにも乗ってしまったの。



「みんなで二次会より、もうちょっとふたりで話したいな」


「わ、私も話したい、です……!」


「……俺の家、すぐそこなんだけど来る? 映画でも見ようよ」


「え、でもさすがにご迷惑じゃ……」


「ううん。もっと仲良くなりたいんだけど、だめ?」