下を向いて、表情を拾えないのに確かに肩を震わせて、怒りが混ざったような声がわたしを責め立てる。
当然でしかない。すべてわたしがわるい。どんな言い訳を並べても、わたしに非があることは覆らない。
「ごめんなさい、本当にごめんね。わたし、本当に最低で、直とのこと応援するって、言えなくて」
「………いつも、栞ばっかり。私は、矢野さんのことだって……っ!」
茉耶の瞳がきらりと水分に揺れる。
閉じたらこぼれ落ちるそれは、たったいま彼女の口から飛び出したその人物が関係していると直感でわかった。わたしのことでも、直のことでもない。
「茉耶、今、葉月くんのこと、」
「……っ、! うるさい!」
「待って、茉耶」



