低温を綴じて、なおさないで





わたしだってずっと、直の味方だよ。わたしだけによわさを見せてほしいと、同じように思っている。



でも、直が仮に茉耶のことをすきになっても、恋の味方はしたくない。


醜くて澱んだ同じ気持ちなんて求めない、このままでいさせて。






“そういえば、なんで22時って言ったの? なにか用あった?”

“特に理由はなくて ただ栞と会いたかっただけだよ”





理由もなく会いたいと思っていてくれる直がいるだけで、いまは贅沢で、十分。



振り返らなかった、けれどきっと直はわたしの姿が見えなくなるまでそこにいてくれたと思う。