低温を綴じて、なおさないで




やさしい、それ以外の言葉できみをどう形容したらいいか、わたしにはわからない。
柔和な笑みを太陽が照らす。わたしは太陽のような主人公にはなれない。


もしきみがこの空の眩さと同じだというなら、ヒロインではないわたしにやっぱり運命は訪れないと思う。




「栞が弱音を吐くのも頼るのも、俺だけであってほしい」


「……っ言われなくても、ずっとそのつもり、」


「良かった。……変わらないでほしい、ずっと」


「うん、」




痛いほど、伝わってくる。くるしいくらいに、溺れるほどに、きみはわたしが大切で、やさしさをくれる。



頷くので精一杯。コップに入ったやさしさは、ずっとずっと前からあふれ続けて拾えずにいるほどで。こぼれたままにして、スポンジや絹布で吸わないようにしている。