「……おつかれ、直」 「おーおつかれ」 わたしのほうに顔を向けてから「ん」と缶を手渡される。わたしのだいすきな缶のビールは、緑色のコンビニ限定のホワイトビール。 いつもと変わらずレモンサワーを持った彼は「乾杯」とわたしの缶にこつんと当てた。 黒い髪からのぞく視線が一瞬だけ交わって、わたしも直もすぐに缶に目線を落とした。 月あかりに照らされた細長い指がタブを起こす一連の動作をなぞってから、同じようにアルミにプシュ、と言ってもらった。