願うなら、きみが






「先輩のクラスは何やるんですか」

「あー、なんか、うん」

「え、教えてくださいよ」

「……コスプレ喫茶、みたいな?」

「えっ! いいですね!?」

「そう……?」

「なんか高校生って感じ!」

「俺はちょっと恥ずかしいんだけど」

「先輩はあれです、王子様の格好したらいいと思います」

「無理無理、笑われちゃう」

「えー、似合うのにー」



お世辞ではなく、絶対に似合うと思う。すぐに女の子に囲まれて大変なことになりそうなところまで想像できる。でも先輩は、そういう目立つ格好はしなさそうだ。なら何を着るんだろうな。それは当日の楽しみにしておこう。

浴衣もいいけれど、コスプレ、いいなぁ。星谷くんがもしコスプレしてくれるとしたら、どんな格好がいいかな。なんて、普通に想像してしまって頬が緩む。



「ひお、なんかにやけてる」

「あ、バレました?」

「うん、バレバレ」

「へへ、好きなひとにどんなコスプレしてほしいか考えてました」

「……ふーん」

「顔に出ないようにしなきゃ、反省反省」



先輩相手だと油断して、いつも顔や態度に出てしまう気がする。危ない。星谷くんの前では気をつけないとだ。



「ちなみに何着てほしいの?」

「え?」

「ひおの、好きなひとに」

「えーっと、なんでも見たいんですけど、強いて言うなら袴とかですかね〜……へへ」



和が似合う気がするから、なんとなく。だけど浴衣姿を見られることは確定しているわけだから、もっと違う系統のやつがいいかもしれない。


……って、べつにそこまで真剣に考えることじゃないか。



「袴……」

「え? 今何か言いました?」

「んーん、なんでもない」



それから先輩は、去年の文化祭の話をしてくれた。去年はお化け屋敷をやったらしく、準備がめちゃめちゃ大変だったから今年は楽なのがよかったのに、結局まぁまぁ大変そうなのになってしまったんだとか。



「楽しみですね」

「ね」



高校初めての文化祭。とにかく、明日からの準備が楽しみだ。