願うなら、きみが






そうとわかれば頭の中の混乱が解けて、冷静に考えられるようになってくる。

先輩と八田くんは違う。同じじゃないってわかったら安心したような気がしてしまうのはどうしてだろう。

なんて思いながら八田くんの顔を眺めていれば、その眉間にはだんだんと皺が寄っていく。



「ちなみにさっきの全部嘘だからね? 八代さんのことそういう目で1ミリも見てないから」

「だ、大丈夫! それはわかってます!」

「ならいいけど」



そしてしっかりとさっきの告白を訂正された。当たり前だ。八田くんが私のことを好きなんてことはこの先もありえないと思う。

それにしても、された側が嫌な気持ちにならない嘘の告白っていうのもあるらしい。

恐るべし八田くん。出会ってからまだ半年も経っていないのに、私の扱いがわかっているからすごい。いつも導いてもらってばかりだ。感謝しなければ。



「でもなんか普通に振られた気分だわ」

「ありがとう八田くん、そこまでしてくれて」

「だってこのままだと一生悩み続けそうだったから」



八田くんと話す前よりは気持ちが軽くなったのは確かだけれど、まだもう少し悩む時間は必要だ。

きっと八田くんは、こんな私に呆れているだろう。



「先輩が卒業するまでにはなんとか……」

「え、卒業? 長すぎない? まだ先じゃん」

「でも先輩がそれでいいって言った」

「ねぇ、甘やかされすぎ」

「……わかってますよーだ」

「まぁ、またなんかあったら話くらいは聞くよ」



案の定、八田くんは呆れたように笑った。だけど最後にはそう言ってくれるから。



「ありがとう八田くん〜〜〜」

「はいはい」



私はきっとまた、八田くんに頼ってしまうのだろう。