願うなら、きみが






「ようやく意識してくれた?」

「そ、そ、そりゃあしますよ……しないなんて無理……」

「はは、じゃあそのままでお願い」



私の行動ひとつで、先輩が笑ったり、嬉しそうにする。それを見るとくすぐったくて、照れ臭くて、だけど嫌じゃなくて。私のことを本当に好いてくれているのだと実感する。


告白されたことが無いわけじゃないけれど、あんなふうに真っ直ぐに目を見て言われたのは初めてだった。

お兄ちゃんみたいな存在から男の子に変わった瞬間、今まで感じていなかったドキドキがプラスされて、困惑したけれど、やっぱり嫌じゃなくて。


相手が自分のことを好きってわかった途端、それまでなんとも思っていなくても急に意識してしまう、なんてよく言うけれど、それはどうやら本当の話らしい。


だけどこれは想定外だ。意識しすぎてスムーズに会話ができないだとか。

だって今までは友達みたいに話せて、黙っている時間も苦痛じゃなくて、隣にいると安心できて。それが今は、隣にいると心臓がバクバクしてしまって、落ち着くことができないなんて。


これは果たして時間が経てば慣れるのだろうか。


慣れる頃には、私は答えが出せているのだろうか。そもそも慣れることなんてあるのだろうか。


わからない。自分の気持ちだけれど、明日も明後日も、1週間後にどうなるかもわからない。



「……先輩、戻らないの?」

「ひおは?」

「……まだ戻れないです」

「なんでよ」

「だって……落ち着こうと思って外出たのに、先輩来たから全然落ち着けません」

「えー、どうして?」

「な、意地悪言わないでください」

「ごめんって。でもこれから先、ひおとふたりになれる時間ってもうそんなに無いだろうから許して?」



だけどひとつわかったのは、先輩のぐいぐいが私には強すぎるってことだ。