願うなら、きみが






しばらくぼんやりと景色を眺めていると、「八代、あのさ」と隣から声をかけられた。



「うん?」

「これ、あげる」



そう言って星谷くんがリュックから取り出したのは、綺麗に包装がされた長方形。赤いリボンには〝Merry Christmas〟と印字がしてあって、思わず目を見開いてしまった。



「えっ……」

「クリスマスプレゼント」

「待って、私何も用意してなくて、」

「いや、俺が勝手にあげたいだけだから」



「はい」とそれを差し出されたけれど、受け取っていいのか迷う。だって本当に何も用意していないんだもの。

全く想像していなかったことが目の前で起きていて、頭の中はプチパニックだ。

正直、クリスマスプレゼントをあげるかあげないかについては悩んだ。だけどそこまでしたら重いかもしれないと思って、結局用意するのはやめたのだ。それに、星谷くんがこうしてプレゼントをくれるなんて思ってもいなかったから。

こんなことなら用意しておくべきだったと、後悔が押し寄せる。


なかなか受け取らない私の前に、星谷くんがプレゼントをぐっと近づけてきた。〝早く受け取って〟ってことなのだろう。



「……ほんとにいいの?」

「当たり前じゃん」

「ありがとう……いただきます」



私のために用意してくれたプレゼント。星谷くんの手から私の手に渡る。手に持った感じ、なんとなく中身が予想できて、つい星谷くんを見上げてしまった。



「もしかして、本……?」

「バレた?」

「やっぱり……!」



「八代が好きそうなやつ」と言われたので、気になってその場で開けさせてもらった。中には読んだことのない初めましての本が。だけど星谷くんがそう言うなら、きっと私の好きな1冊になるのだろう。




この気持ちはもう、〝嬉しい〟って言葉だけでは表しきれない。