願うなら、きみが






「美味しかった〜」

「よかった」



オムライスはもちろん、その後に食べたチーズケーキも美味しかった。食べてる間もたくさん話ができて、今日最初に会った時よりも今この瞬間の方が、星谷くんのことを知れていると思う。

ちょっとずつ、嬉しいが積もっていく感覚がした。


お店を出る頃には外はもう暗くなっていて、冬の日の短さを感じる。空気の冷たさに今日の終わりを意識してしまって、ほんの少し寂しくなった。

だけど星谷くんが「行きたいところがあるんだよね」と言ってくれたから、まだ帰らなくていいのだとものすごく安心した。特別なことをしたいとか、そんな欲張りなことは思わない。

ただ本当に、いつもよりもちょっとだけスペシャルなこの1日をふたりで過ごせるのならなんだっていい、と。そう思いながら星谷くんの後をついていった。



だから、「着いたよ」と言われて驚いた。



「え、ここ……」

「どう? たまに来るんだけど」

「すっごい綺麗……」

「ね、綺麗だよね。結構お気に入り」



大きな公園の階段をしばらくのぼった先、星谷くんが連れてきてくれたのは、街中の明かりを見渡せる場所だった。

キラキラとあちこちに見える光。テレビで観る大きなクリスマスツリーのイルミネーションよりも、ずっとずっと綺麗だと思った。



「寒くない?」

「うん、大丈夫」



涙が出そうなのは、寒さのせいなのだろうか。それとも、この場所を私に教えてくれた星谷くんのせいなのか。


じわりじわりと嬉しい気持ちが込み上げてきて胸がくるしくなるから、きっと後者だ。気を抜いたら目から雫がこぼれてしまいそうになるくらい、くるしい。

くるしくて、嬉しい。

なんてそんなことを言ったら、笑われてしまうだろうか。