浅黄色の恋物語

　その前の年には「裁判所から変なのが来たんだけどどうしよう？」って相談されたっけ。
これはね、物によっては対応しておかないとどえらい目に遭うんだよ。
　例えば架空請求で裁判を起こされた場合。　無視すると欠席裁判で支払いを命じられることになる。
その他、身に覚えが無いことは無視してもいいけどそれでも取り敢えずは裁判所に確認しようね。
　裁判所が「出してません。」って言えば嘘だから。

　以前は社会福祉協議会もヘルパーが多かったんだけど、全国的にずいぶんと減ってしまった。
そして市町村がやってるヘルパーステーションにもお世話になったけどそれだってずいぶんと減ってしまった。
　ヘルパーって単価が安いんだよね。　介護職もそうだけど。
だから奥さんがやってることが多い。　でもそれだと所得控除だとか何だと勝手制限が掛かる。
おかげで思い切り働けないから事業所も収入が少なくなる。　悪循環なんだよ。
　その上になかなか人が集まらない。　それで従業員は朝から晩まで走り回ることになる。
自由に制限無く働ける環境を作らないと事業所はこれからも減り続けるぞ。
　ついでに言えばマッサージ師もそろそろ訪問を時給制にすべきだと思う。
社長さんはたいていドライバーも兼ねているから燃料費をごっそりと貰うことが出来るけどマッサージ師はそうでもない。
複数で働いてることが多いから施術費を人数割りするわけね。　そうすると患者さん一人当たり200円とか300円になる。
　しかも人数が多ければいいんだけどだいたい週に8件くらいだから月ベースで1万2千円も貰えたらいい方なんだね。
以前、ぼくは木古内町で訪問マッサージをやっていた。
　でもその時は社長が自分の預金を取り崩して楽に暮らせるだけの給料をくれていたんだ。
そうでもしなければとても暮らせないよ。
こんな環境を変えていかないと20年後の業界が心配だ。
　超低空飛行の上に函館市には60社の事業所が有る。　そいつらが患者さんを取り合い、複数で業務提携をして相乗りしている。
一人の患者さんに二つ三つの業者が入れ代わり立ち代わり施術をする。
そして燃料費と施術費を分け合うんだ。　おかしな業界だよ。
　というのも原因は施術者の技術不足。　技術が確かであれば口コミで評判が広がるはず。
今のマッサージ師は技術が物足りないんだよね。　得意技も持ってない。
　温泉場の按摩さんを見ればいい。　彼らは一つでも得意技を持っている。
ぎっくり腰を圧迫一つで完治させるくらいの技を持っている。　だから人は按摩さんって呼んだんだ。
　それくらいの習熟が必要なんだよね。　簡単な仕事じゃない。
訪問マッサージはターゲットが高齢者だから軽くやり過ごしても文句は言わないだろう。　そう思ったら大間違いだ。
　人間性も厳しく見られていることを知らないと大ケガをするよ。
相手は40年50年　社会の中で戦ってきた人たちだ。
生半可な覚悟では受け入れられることは無い。
　ぼくも何とか信用してもらってはいるけどだからって安心しているわけじゃない。
少しのミスで信用を失うんだからね。