浅黄色の恋物語

 バレンタインチョコと言えば高校生時代は毎年ドキドキしてたなあ。
でもさあいつもギリギリチョコなんだよね。 本命なんて当たったことは無い。
告白された記憶も無いなあ。 気付いたら結婚して気付いたら別れてた。
 息子君は丸顔でアンパンマンみたいなやつだった。 喧嘩が嫌いでね。
ぼくと嫁さんが喧嘩してても止めに入るんだよ。 「父ちゃん やめろーーーーー。」って。
 そんなやつだから今でも変わらないんだろうなあ。

 我が家にはホームヘルパーが週に二日来ます。
料理や洗濯は自分でやるけど掃除は見えないと完璧にはやれないから。
 20年の間にいろんなヘルパーさんが来ました。 あわてんぼうな人も天然な人も居た。
ジャンバーやバッグを忘れて帰る人も居たっけ。
 使った印鑑をそのまま持って帰っちゃった人も居るし、、、。
でもね、見てるとやっぱりすごいなって思うよ。
 だって元はと言えば真っ赤な他人の家に入らせてもらって掃除をするんだもん。 緊張するよね。
慣れてる人ならいいけど初心者はほんとに大変だろうなあ。 いつも感心する。
 慣れててもたまに住所を間違えてとんでもない所に行っちゃう人も居たなあ。
よくよく聞いてみたら棟の番号と番地を間違えたって、、、。

 そうそう、ヘルパーと言えばこんなことが有ったっけ。
それは2006年春のことだった。 掃除をしていたら一枚の葉書を見付けたんだ。
よく見ると国税庁 市民徴税課って差出人になっている。
ヘルパーさんは真っ蒼になって「連絡しなくても大丈夫なんですか?」ってぼくに聞いてきた。
 そこでぼくは「市役所に聞いてみて良ければ電話します。」と答えたんだ。
そして市役所に電話してヘルパーさんに内容を伝えてもらった。
役所は一発で「それは架空請求だから無視してください。」って言ってきた。
 それを聞いたヘルパーさんは安心したのか力が抜けてしまったんだって。
素直な人ほど騙されるんだよね。 市民徴税課なんて名前を見たら、、、。
 浮足立って電話したら何万円取られたか分からない。
第一、国の役所が一般庶民の税金を取り立てるわけが無いんだ。
 「よく分かりましたねえ。」って言われたけど冷静に考えればすぐに分かるよ。