浅黄色の恋物語

 的確に素早く判断できるようになるまでには最低でも10年は掛かる。
簡単だと思ってはいけないよ。 世のおじさんたちはそうでもないらしいけど。
 よくね「マッサージなんて客商売なんでしょう?」って聞いてくる人が居るけれどとんでもない話だ。
 ぼくらは飾るために白衣を着ているんじゃない。 それなりにプライドが有るから着てるんだ。
端っこではあっても医療関係の仕事をしてるんだよ。 医者だって言わないだけ。
 現に今の免許は国家資格だからね。

 久子姉さんのマッサージを終えてホームを出ます。 次は民家です。
もうちっと民家での仕事を増やしたいもんだな。 今は2件だけ。
 残りはグループホーム。 付き合いは長いからいいけどさあ。
 その仕事が終わると家に帰ります。 寒いなあ。
まだまだ冬だからね。 それは仕方がない。
 ヒーターを点けて白衣を脱ぎます。 冬でも白衣は半袖です。
長袖だと動きにくいんでねエ。 長袖でやってたことも有るんだけど動けなくてやめたの。
 真冬でも半袖ですよ。 まあ寒いから薄いジャンバーを羽織ってはいるけど。
見慣れない人たちが見たら変な風に見えるんだろうなあ。
 半袖の上に長袖を着てるんだもん。 どっちかにしろよってなあ。
 でもね、部屋の中は暖かいけど外に出るとしこたま寒いんだよ。 雪も降ってるし。
ダウンジャンバーを重ねてもいいんだけど着脱が面倒で、、、。
 おまけに部屋の中で脱ぐと邪魔になってしょうがない。 だから薄いジャンバーにしたの。
そうそう、今の時期は出発時からずっと手袋をはめてます。 手が冷たいと仕事にならないんで。
 福岡に住んでた頃は手袋なんてしなかった。 そこまで冷えないから。
でも東北以北に引っ越したら手袋は必須用品だねえ。 10月から4月までは手放せない。
 最初、それを見た人には「何をしてるんだ?」って不思議そうに聞かれたよ。
体を触る仕事をしていなければ必要無いもん。
 今使っている手袋は2016年にドン・キホーテで買った物。 もう9年目。
まだまだ現役だ。 敗れることも無い。
 仕事が終わって部屋に帰ってきて喉を潤したら一休み。 思ったより疲れるねえ。
そりゃそうだよ。 かなり元気を吸い取られる仕事だ。
 マッサージはそれくらいで済むけれど鍼なんかやるとそれだけじゃ済まない。
患者さんが持っている邪気を思う存分に吸い取るから時には動けなくなる。
でもそれが鍼医の宿命だよ。 ぼくは嬉しい。
それだけ患者さんが救われていくんだからね。