浅黄色の恋物語

 マッサージの仕事を始めて半年。 やっと給料が2倍になった。
1万円札が2枚出てきたんだ。 やっとだよ。
 老人ホームの頃は12万くらいだったかな。 最初の施設はひどかった。
年数が長くなるほど給料が減るんだ。 3万近く減って(続かないな。)って思ったから辞めたんだよ。
 それは叔母も同じだった。 二人して目が点になったもんだ。
確かに支給額は増えてるのに手取りは減ってたんだよね。 信じられなかったなあ。
 今は訪問マッサージ。 この仕事だってこの先はどうなるか分からない。
早く治療院のベッドで落ち着いてやりたいなあ。

 ぼくは元々鍼を専門にやりたい人なんですよ。 そのために技術を磨いてきた。
師匠もそれを望んでいる。 だから「本物になれ。」って言ってくれた。
 それでも今はマッサージのニーズが多くて揉み揉みしてるわけ。
代表が春に帰ってくれば鍼の仕事を増やしてもらうつもり。
55を過ぎたらマッサージを減らしていく気持ちは変わらない。 体の負担も減らしたいから。
その代わりに後継者を育てるよ。 30年、積み上げてきた物を吐き出すんだ。
 ホームページも立ち上げることになっている。 そこでもいろいろと書かせてもらう予定。
ついでにYouTubeでも発信したいなあ。 いろんなことを考えてるよ。
 天国も地獄も味わったんだ。 本領発揮だね。

 とはいえ、訪問業者の社長さんは何処でも誰でも同じことを言う。
問題が起きると「ドライバーに任せているんだからドライバーと話をしろ。」と仰る。 それで解決した試しは無い。
 そもそもドライバーは悪魔でもドライバーであって会社の雑用をこなしているだけ。
それで問題が解決していたら苦労はしないよ。 社長は現場を知らない。
 それで何か所も渡り歩いて同じ経験をしてきたんだよね。 訪問マッサージの業者は何の進歩もしない。
そのままで居てもいいのかって疑問が湧いてくる。 そろそろ自分のために仕事をしてもいいんじゃないか?
 今の仕事だって「自費の患者を増やすから戻ってきてくれ。」って言われたのに、増えているのは保険診療の患者ばかり。
話自体が食い違ってきているから続ける意味も無くなってきているように思う。
 そこで考えた。 今、再婚を考えている人たちは仕事が忙しくて家事がままならないらしい。
それならぼくが家事を何とかしようかと。 簡単なことじゃないさ。
でもね、自分でもやってきたんだ。 少し角度を変えればいい。
そしてマッサージと鍼は嫁さんと家族のために使う。
そういう人生も有りだよな。