「今回は言えない。でもいつか言うから…。必ず、柚葉には言えるようにするから。すまない」 私は首を左右に強く振り、旦那様から離れるように軽く胸を押した。 「私は、ずっとここに居ます。いつでも大丈夫です。話したくなるまで、待ちますから」 「…ありがとう。じゃあ、そろそろ行く」 「いってらっしゃいませ」 旦那様が私の首元に顔を向けた時、くすぐったかったけど、胸が強く締め付けられた。 別の家で子作りしているなんて、見えない不安も吹き飛んで、旦那様の言葉を信じて待っていようと決めた。