The previous night of the world revolution

その翌日から。

俺は、クラスメイトに八方美人するのをやめた。

必要がなくなったからだ。

馬鹿な人間にいくら媚を売ったって、出てくる情報なんてたかが知れている。

一応話しかけられれば適当に相手はするものの、積極的に仲良くなろうとはしなかった。

代わりに。

俺は、その男と…ルシファー・ルド・ウィスタリアと、友人関係を築くことにした。

その理由は、二つある。

一つ目は、彼がウィスタリアの人間であるから。

帝国の誰もが名を知る貴族の出身なら、仲良くなっておいて損はない。

ましてや、彼は並々ならぬ才能を持っている。将来は、帝国騎士団でもかなり上位の役職に就くことは間違いなかろう。

なら今の内に打ち解けておくに越したことはない。

二つ目の理由は、単純に。

俺が、彼と仲良くなりたいからであった。





このときはまだ、そんな理由で彼と一緒にいた。

これから俺達に待ち受ける運命など、何も知らずに。