The previous night of the world revolution

俺の潜入任務は確定したが、編入手続きに一ヶ月を要する為…実際に潜入するのは一ヶ月後、ということになった。

それまでの間、俺は帝国騎士官学校で開講されている科目と、最低限必要な剣術の習得に勤めた。

潜入任務において大切なのは、良くも悪くも、目立ち過ぎないことである。

優秀過ぎても問題だし、馬鹿過ぎてもまた問題だ。

何事も適度に出来なければならない。その上で…出来ることを出来ないことにするのは比較的簡単だが、出来ないことを出来ることにするのは常識的に不可能であり。

早い話、剣なんて全く使えないのに騎士官学校なんて入ったら、お前何でここにいるの?って話になる。

俺は特に、剣術はからっきしだからな…。『青薔薇連合会』に入ったとき少し齧りはしたけど…。

考えてみろ。現代社会で剣が使える人間がどれほどいるか。

銃は剣より強し、だと思うぞ俺は。

とは言っても、帝国騎士団はそういう組織なのだから仕方ない。

文句を飲み込んで、俺は木刀片手に稽古に励んでいた。



…すると、そこに。


「やぁ、頑張ってるねルルシー」

振り返ると、そこにいたのは。