The previous night of the world revolution

俺はその日、人を殺した。

ありふれたことだった。そいつは、あろうことか俺を強姦しようとしたのだ。

男を強姦しようとするとは。物好きな輩もいるものだ。

もう何度も色んな男に傷物にされたのだから、別に犯されるのは構わなかったが。

それはビジネスなのであって、タダでやらせるほど俺の身体は安くない。

口でやめるように言っても、そいつは聞かなかった。

興奮しているからか息は荒いのだけど、何処か青い顔をしていて、目の焦点が合っていなかった。

あ、こいつ薬やってるんだな、とすぐに分かった。

貧民街の路地裏育ちだったら、誰でも一度は目にしたことがある。

今まで相手してきた客の中でも、薬に手を出している者は何人か見かけた。

俺にもやらないかと勧めてきた者もいたが、俺はそれを断った。

薬のやり過ぎで身を滅ぼした奴は、それこそ吐いて捨てるほど見たからだ。

折角生き延びたのに、自分から命を縮める必要はない。

そう思っていたから、俺は薬には手を出さなかった。酒も煙草もやっていたけど、薬はやらなかった。

まぁ、あのまま貧民街で長いこと生きていたら、手を出していたかもしれないけど。

そうはならなかった。