The previous night of the world revolution

一度汚されてしまった身体なら、もう惜しむ必要などなかった。

生きていく為には、それを武器にするしかなかった。

幸いなことに、俺は人よりも見目が良かったから、言い寄ってくる人間はいくらでもいた。

こちらがそれらしく微笑めば、向こうももう慣れたもの。幾ばくかの金銭を引き換えに、俺は彼らに身を任せた。

汚いことをしている自覚はあった。それでも、死んでしまうよりはましだった。

死んでも良いと思いながらも、俺は生きようとしていた。

だって生きている理由はないけども。

死ぬ理由だってないから。

身体を売って生きられるなら、生きられるだけ生きてみようと思った。

けれどそれも、楽なことではなかった。

俺達みたいな浮浪児相手に、優しくする人間なんて滅多にいなかった。

時折、殴ったり、ナイフを突きつけながら犯す男もいた。命の危険を感じるくらい乱暴にされたこともある。

そういうとき、俺は自衛の為に…躊躇いなく、そいつを殺した。

殺されるよりは殺した方がましである。

そんなときの為に、俺はいつでも、カッターの刃を忍ばせていた。

命の危機を感じたら、それで相手の首を掻ききって殺した。

こちらも、もう躊躇いはしなかった。

一人殺したんだから、二人殺そうと百人殺そうと、同じことだ。

むしろ、こうして身体を売って生活している浮浪者の内では、こういう自衛の手段は当然備えていた。

買う方も、慣れた者だとそれを分かっているから、そこまで乱暴にはしなかった。

俺はそうやって生きていた。身体を売り、時に人を殺し、ありとあらゆる汚い物にまみれながら、それでも生きている。

楽な生活ではなかったが、少なくとも母親のもとにいるよりは…孤児院で暮らしているよりは、ずっとましだった。




…彼と出会ったのは、そんな毎日を二年ほど続けたある日のことだった。