The previous night of the world revolution

俺は、その男を殺した。

これからもこんな風に汚されると思ったら、耐えられなかったから。

俺は血だらけのベッドの上で、果てた後横で息を荒くしている男を、憎々しげに睨んだ。

死ぬほどこの男が憎かった。

殺さなければ、俺はきっと…これから何度も、こんな風に。

この男に、玩具のように扱われるのだ。

そう思うと、とても耐えられなかった。

…やらなければ。

空虚に生きてきた俺の、何処にそんな行動力があったのか。

死んでも良いとさえ思っていたのに、俺はそのとき、自分の身を守る為に何でもするつもりだった。

腰から下は痛みで感覚さえなくなっていたのに、俺はゆっくりと、上半身を起こした。

視線だけ動かして、何かないかと周りを見渡した。

俺の目に止まったのは、ベッドサイドのテーブルランプ。

そのコード。

目につけば、もう躊躇いはしなかった。

俺は猫のように素早く、ランプのコードをコンセントから外し、横で寝ていた男の首に、それを巻き付けた。

そして、思いっきり力を入れて締め上げた。

いきなり首を絞められた職員は、空気を絞り出すように醜く呻いた。

だが、俺は力を緩めはしなかった。

ぎりぎりと、渾身の力を込めて…コードがちぎれてしまうんじゃないかと思うくらい、強く引き絞った。

殺さなければ。

なんとしても、絶対に、殺さなければ。

貧弱で、しかも痛め付けられたのに、自分の身体の何処にそんな力があったのか。

俺の頭は死んでも良いと思っていたのに、生の本能というものは、肉体の持ち主に反して「生きたい」と叫んでいた。



…どれだけ。時間がたったのか。