…何て、言うつもりなのか知らないが。

何を言われたところで、俺の気持ちが何か変わる訳でもない。

事実は、一つなのだ。

…この女は、一度として俺を助けてはくれなかった。

それだけだ。それが事実だ。

「…残念でしたね」

俺はそう言って、冷たく振り向いた。

ちゃんと振り向いてやった分、俺は優しい。

「あなたの『ルシファー』は、もうとっくに死んだんですよ…。…あなた達に殺されてね」







床に崩れ落ちる姉に見向きもせず、俺はルルシーと共に帝国騎士団のもとから去った。

心から、清々しい気分だった。