The previous night of the world revolution

とにかくオルタンスが屑、という空気になりかけたところを。

九番隊のユリギウス、元々俺のことを嫌っていた彼女が、オルタンスを擁護することを言った。

「…確かに、ルシファー殿には気の毒だが…だが、一方ではオルタンス殿の判断は正しかったとも言える。帝国騎士団の役目は、まず何より王家を守る為に…」

「馬鹿かてめぇ。王家が何だってんだ。国民あってこその帝国騎士団なんだよ。国民に『正義』を示せないなら、王家なんか潰れちまった方がましだ」

完全にキレているアドルファスには、ユリギウスの言葉は火に油を注ぐも同然だったようだ。

潰れた方がまし、とまで言うか。

「なんと不敬な」

「不敬だったら何だよ。今度はどうする。俺に罪を着せてみるか?何の罪だ?お前らだって油断してると、ルシファーみたいに冤罪着せられるぞ。何せこいつは、味方を売ることに何の躊躇いも持たない糞野郎だからな」

その通り。その通りである。

素晴らしい。文句なしだ。

俺がさっきからにまにましているのを、隣でルルシーが渋い顔をして見ていた。

だって仕方ないじゃないか。こんなに面白いことが他にあるか?

「…ウィルヘルミナ」

オルタンスは、ずっと俯いて、血相を変えて震えていたウィルヘルミナに声をかけた。

ウィルヘルミナは身体をびくりと震わせた。

「お前は知っていたな?ルシファーに…教えられたのか」

「…」

彼女の怯えようと言ったら、見ていられないほどだった。

あはは。まぁ、これはさすがに可哀想かなぁ。

俺は基本、釣った魚に餌は与えない主義だが。

とはいえ、鬼ではないからな。彼女は大事なハーレムの会員でもあることだし。

「彼女には、俺が直々に接触して手篭めにさせてもらいました。籠絡するのに必要だから、真実も話しました。彼女は割と被害者だと思いますよ」

俺は、ウィルヘルミナを庇うようにそう言った。

まぁ、これで庇いきれるとは思いきれないが。

「そうか…」

「彼女もまた、あなたの被害者の一人ですよ。なんと罪深いんでしょうね」

そして、被害者がもう一人。

さっきから、そこで蝋人形のように真っ白になって、呆然としている女性。

…誰あろう、俺の姉である。