The previous night of the world revolution

ここからはもう、どう転んでも愉快なことにしかならない。

そうたかを括って、俺は優雅に机に座った。

「…ルレイア、椅子に座れよ」

「え~?」

だって、こいつらに混じって椅子に座ると、自分も猿の仲間みたいに見えそうで。

まぁ良い。仕方ない。郷に入っては郷に従えと言うもんな。猿山に入っては猿山に従うか。

とりあえず、俺は黙って優雅に、成り行きを見守るとするか。

「…つまるところ」

改めて、アドルファスはオルタンスに向かって詰め寄った。

「このルシファーは、裏切り者じゃなかった訳だ。裏切ったのはこっちだってんだな?」

「そういうことだ」

オルタンスの方も、もう誤魔化すつもりはないらしい。

そもそも、誤魔化しようもないからな。ここまで大々的に暴露されたら。

今更嘘を取り付けたって、信じられるはずがない。

それに、彼の性格上、みっともなく取り繕ったり言い訳をすることもあるまい。

「敢えて聞いてやる。…なんでそんな真似をした?」

「それは無論、ベルガモット王家を守る為だ」

「…」

「王家を守ることが、我々の使命だ。ゼフィランシア卿が女王の実兄であることが世間に知られれば、先王の汚点を見せることになる。それだけじゃない。ゼフィランシア卿を王位に推す派閥が現れ、帝国中に大きな混乱を招く」

「…だから何だよ?」

アドルファスは、鬼のような顔をしていた。

この場でにやにやと笑っているのは、俺だけだ。

「だからこいつに冤罪を着せたのか。俺達に一言も、何も言わずに」

「お前達に言えば、正義を行おうとするだろう」

「当たり前だ。その『正義』を、お前は踏みにじったんだよ。俺は正義厨じゃねぇがな、帝国騎士としての最低限のプライドだけは持ってるつもりだ。お前は…お前はそれさえも持っちゃいねぇ。俺は今、心底お前を軽蔑してる」

素晴らしい。百万点をあげたいくらいだ。

「…確かに、ルシファーには悪いことをしたと思っている。だが…あのときの判断を間違っていたとは思わない。あのときは、ああするのが最善だと…」

「お前は!それをルシファーの前で言うのか。ルシェの前でも言えるのか!」

激昂したアドルファスは、立ち上がってオルタンスの襟首を掴んだ。

止める間もなく、アドルファスはオルタンスを思いっきり、渾身の力を込めてぶん殴った。