The previous night of the world revolution

「…随分と、愉快なことになってますね?」

招かれてもいないのに、懐かしいその会議室に入ると。

なんとも楽しい光景が目に映った。

怒りに満ちた表情の者、顔面蒼白の者、呆けたような顔をしている者…。今日の隊長会議は百面相だな?

これを見ただけで、もう笑いが止まりそうにない。

オルタンスは、俺の姿を見て目を細めた。

「久し振りですね、オルタンス殿…。あなたに俺の目を見る勇気があるとは、全くあなたの図太さには恐れ入りますよ」

最早、彼を相手に下手に出る必要は全くない。

相変わらず、恥というものを知らずに生きている男だ。

すると、横から。

「お前、何でここに…」

突如現れた渦中の俺に、アドルファスは一瞬、顔をしかめた。

何で、って。

「俺から直接話を聞きたいだろうと思って、わざわざ足を運んであげたんじゃないですか」

俺の優しさと気遣いに、感謝して欲しいくらいだ。

「…まぁ、丁度良い。本人の前で、改めてはっきりさせてもらおうじゃないか…。なぁ、オルタンス」

アドルファスは、改めてオルタンスに向き直った。

「…どういうことなんだよ、これは」

その目は、怒りに燃えていた。

へぇ。こいつがこんなに怒ることがあるとは。

いつも、へらへらしてるところしか見ていなかったが。

「報道されていることは、あれは本当なのか?もしそうなんだとしたら…ごめんなさいじゃ済まされないぞ」

「…」

ここにいる皆が、怒っているか呆けているか、震えているのに。

オルタンスだけは、いつも通り変わらない表情をしていた。

ウィルヘルミナ以外の誰もが、オルタンスの言葉を待った。

全ては『青薔薇連合会』が流したデマだと、報道されていることは嘘っぱちであると…そう言ってくれるのを待っていた。

けれど、それは無理な相談だった。

オルタンスは、諦めたように言った。

「…あぁ、報道されていることは全て真実だ」

俺を、前にして。

この俺を前にして、嘘などつけるはずもないからな。

「…あはは」

…なんという、素晴らしい瞬間であろうか。

天狗になった帝国騎士団の隊長達が、揃って青い顔をしている。

何も知らない馬鹿な腑抜け共が、真実に晒されて怯えている。

俺はこれが見たかった。そう、俺はこれが見たかったのだ!