The previous night of the world revolution

予想通りと言えば、予想通りだが。

ウィルヘルミナは、処女だった。

別にそんなことはどうでも良い。重要なのは、彼女が俺の手に堕ちたということだった。

見事に、俺の毒牙に引っ掛かってくれた訳だ。

一度抱けば大抵堕ちるが、ウィルヘルミナは並みの女ではないので。

じっくりと時間をかけて、丁寧に解きほぐして、溺れさせてやった。

まぁ、これだけじっくりやれば大丈夫だろう。

リーフリルやシャリヤのように、俺を神格化させて溺れさせるのではない。

ウィルヘルミナはあんな馬鹿女達とは訳が違う。

彼女は俺を神格化するのではない。

単に、俺から離れられなくしただけだ。




「…さっき、私を好きだと言ったな」

『事後』、ベッドの中で、彼女は俺に背を向けたまま、ぽつりとそう呟くように尋ねてきた。

なかなかに気の強い女だ。初めての相手がこんな男だというのに、泣きもしなかった。

「言いましたね」

「あれは、何割本当なんだ?1割もあるか?」

「失敬な。10割本当ですよ」

彼女を好きだと言った言葉に嘘はない。俺は、強い女の方が好みなのだ。

シュノさんや、ウィルヘルミナみたいな。

リーフリル達のようなのは、あれはただの馬鹿女だ。

「嘘だな。少なくとも、女が思うような『愛』じゃないだろう」

「そうかもしれませんね。俺は、あなたを利用する気満々ですからね」

隠しても無駄だから、敢えてはっきりと言う。

お前を都合の良いセフレにするけど、文句はないよな?という宣言をしているも同然なのに。

ウィルヘルミナは、怒らなかった。

怒りもしないし、悲劇のヒロインのように泣いたりもしなかった。

こういう高潔なところが、俺としては惹かれるポイントだ。

…まぁ、彼女の言う通り…それは決して、愛ではないのだろうが。