The previous night of the world revolution

今思い出しても、糞みたいな毎日だったなぁ。

「ルルシーが来るまでは、地獄みたいでしたよ」

「…」

「ルームメイトはおろか、教官からも理不尽にいびられましてねぇ。クラスメイトは皆見て見ぬ振り。色んな人間に助けを求めても、皆揃って同じ反応。そのくらい自分で何とかしろ!って。それだけ」

思えば過去、俺の周りにいた人間は。

なんと無能であったことか。

あんな無能な人間を、俺はまだ信じようとしていたんだからなぁ。

猿に助けを求めるようなものだ。今なら、それがどれほど馬鹿なことだったか、よく分かる。

「ルルシーが来て、彼が助けてくれるまでは、ずっとそんな感じ…。今ではもう、無能共の負け惜しみだと割り切れますけどね」

俺をいじめていたベリエスは破滅させてやったし、教官はぶっ殺したし。

シューレンは…知らないけど、分隊長以上にはいなかったから、泣かず飛ばすで上司のケツを舐めていることだろう。

馬鹿だったし。

「そっか…。ルレイア、大変だったのね…」

シュノさんは、何故かしょんぼりとしてそう言った。

…何やら同情してくれているらしい。

「…それに、帝国騎士団には捨てられたんでしょう?」

「そうなんですよー」

俺の人生、まだ始まって20年ちょっとなのに波乱万丈過ぎない?

「…それでその後、二年間入院したって、ルルシーが言ってた」

「そうそう、俺精神病院に入院してたんですよ。まぁ、頭ラリってたんであんまり覚えてないんですけどね」

当時は全然そんなことは考えてなかったが、今思えば二度とあんなところには入院したくないな。

いや、入院中も、考えていたんだろうか?ここにはいたくない、と。

覚えてない。何せあの頃は思考がめちゃくちゃだったから。

もうあんな無気力な日々には戻りたくない。

「…ルレイア、大変な人生なのね」

「あはは…。そうですかねぇ」

誰だって、人生色々大変なことがあると思うけど。

俺みたいな経験は、しないで生きていく方が良いと思うよ。

楽しくないからね。

「…家族、は?」

シュノさんは、物凄く聞きにくそうに、ぽつりと尋ねた。

…確かに家族の話題は、『青薔薇連合会』では禁忌と言っても良いくらい…嫌がられる話だからな。