The previous night of the world revolution

「ん~っ!んん~っ!」

「え、しゅ、シュノさん!?」

驚きで一瞬咀嚼が止まってしまったが、とりあえず口の中を空にしないとどうにも出来ないので。

サーモンを飲み込んで、シュノさんに向き直る。

「だ、大丈夫ですか?」

「ん~っ!!」

これ何?禁断症状?

もしかして、サーモンアレルギーみたいなのあった?

それとも痛んでた?やっぱり痛んでた?

痛んでたとして、口に入れてすぐこんな反応するか?

シュノさんは溺れるみたいに手をばたばたさせて、必死に湯飲みを指差した。

あ、お茶くれってことだな。

俺はシュノさんに湯飲みを手渡すと、彼女は必死にそれを受け取り、くぴっ、くぴっと飲み干した。

そして、

「ふ、ふえぇ…」

「どうしたんですか…?」

涙目のシュノさん。これは一体どうしたことか。

と、思ったら。

「…わ、わさび…」

「わさび…」

「わさびぃ…」

涙目で呟くシュノさん。それでようやく、悶えていた理由が分かった。

あっ、わさび駄目なんだ、シュノさん…。

俺、気にせず食べちゃったけど。

そうか。わさび確認してから渡せば良かったな。

それは申し訳ないことをしてしまった。

「済みませんシュノさん…。確認せずに渡しちゃって…」

「良いの…。私も確認せずに食べちゃったから…」

「わさび入ってないの食べましょうか。あるいはわさび抜きを作ってもらうか…」

頼めば、多分抜いてくれるだろう。

あれ何て言うんだっけ。サビ抜き?

「とりあえず口直しに何か…。あ、ポテトフライ来た」

丁度良い、これにしよう。

成程。こういうときの為に非寿司メニューが…。いや、こういうときの為ではないんだろうけど。

口直しに出来るものがたくさんある。素晴らしき回転寿司。

庶民的なんて、馬鹿にしてたら恥ずかしいですね。