The previous night of the world revolution

「はい?」

「聞いたよ。君が無理をして、助けてくれたんだって?」

「あぁ、まぁ、はい」

一応…そうなるのか。

必死だったから、自覚はなかったけど。

そうか。俺が助けたことになるのか。

「ありがとう、ルレイア。正直ね、もう帰れないと思ってたよ」

「…どういたしまして。また会えて嬉しいです」

「私もだよ。もう君に頭が上がらないね」

それはさすがに言い過ぎだろう。

家族なんだから、仲間なんだから、助けるのは当然のことだ。

「アイズ、ルレイアを褒めるな。この馬鹿は一歩間違えば殺される無謀な賭けをしたんだ。むしろこの馬鹿、って殴ってくれ」

折角和やかな雰囲気だったのに、ルルシーが酷いことを言う。

「ま、まぁまぁ…。皆無事だったんだから」

ジトッ、と俺を睨むルルシーを宥めるように、シュノさんが言った。

ありがとうシュノさん。

それに、

「そうそう、結局ルレイアが頑張ってくれたから、皆無事に帰ってきたのよ?良かったじゃない。そんなに怒らないであげて、ルルシー」

「…」

にこにこ顔のアシュトーリアさんにもそう言われ、さすがのルルシーも引き下がった。

ありがとうアシュトーリアさん。

「…でも、ルレイア。私も気が気じゃなかったんだからね。こんな危険なことは、もうやめてね」

と、俺に釘を刺すことも忘れていない。

全くだ。俺だって石橋は叩いて渡りたい派なのだから、こう何度も危険なことはしたくない。

今回は、特別だ。

とはいえ、その結果得られた見返りは…非常に大きい。

何と言っても、皆無事に帰ってきたのだから。

それに勝る喜びが、他にあるだろうか。