The previous night of the world revolution

俺の胃もたれが順調に回復し始めた頃。

アイズレンシアが目を覚ました、とアシュトーリアさんが嬉しそうに報告してくれた。

彼は帰国してから、およそ四日間、まるまる眠っていたことになる。

アシュトーリアさんからの連絡を受け、俺、ルルシー、アリューシャ、シュノさんの四人は、すぐさま病院に駆け付けた。





我先にと病室に駆け込むと。

にこにこと嬉しそうなアシュトーリアさんがいて、更にさすがに疲れた顔のアイズがベッドの上で起き上がっていた。

素晴らしい。

「にゅおー!アイ公!超ねぼすけ!おはよ!」

「おはよう」

アリューシャは興奮気味に捲し立て、ベッドに駆け寄った。

「傷いてぇ?」

「まぁね、でも…大丈夫」

「そっかぁ。気の毒にな!今日忘れたけど、明日『ポテサラーズ』のアルバム持ってきてやんよ!」

「はいはい、ありがとう」

「馬鹿アリューシャ。怪我人にじゃがいもの歌なんか聴かすな」

ルルシーは顔をしかめて言ったが、アリューシャは素知らぬ顔で、アイズも苦笑いであった。

…良かった。ちゃんと元気そうだ。

…と言うかルルシー。じゃがいもの歌とは失敬な。『ポテサラーズ』の歌は名曲揃いなんだぞ。

「アイズ、無事で良かった…」

シュノさんも、珍しく感極まったような表情だった。

彼女も、口や表情に出さないだけで、彼女なりに心配していたのだろう。

「心配かけて悪かったね。皆」

アイズは俺達を順々に見渡して、全員に向かって言った。

するとアリューシャは呆れたように、

「全くだぜ。退院したら焼き肉奢ってくれ」

「アリューシャ。殴るぞ」

「ルルシーが乱暴!」

「まぁまぁ。奢るから。元気になったらね」

「ごっつぁんです!」

う、うん…。退院したら焼き肉。先日ルルシーのお仕置きによってガッツリメニューを食べさせられたから、今は遠慮したいところだ。

やっぱり今日は和食にしてもらおう…と密かに考えていると、

「…そうだ、ルレイア」

アイズは俺の名前を呼び、真っ直ぐに俺の目を見つめた。