The previous night of the world revolution

その十数分後。

シュノさんの電話の相手が、シュノさん宅にやって来た。

「…お前、何やってるんだ?」

血相を変えて登場した、ルルシーのその姿が。

どれほど俺にとって、救いとなったか。

地獄に垂らされた一本の糸のようである。

「る、ルルシー…。た、助け…」

「シュノ、一体何があった?」

ルルシーは俺に駆け寄って、未だに吐き気が収まらない俺の背中を強く擦ってくれた。

「う、うぅ。ルレイアが。ルレイアがぁ…」

しかしシュノさんも答える余裕がないのか、涙目でおろおろするばかり。

「ルレイア、お前何した?毒か?毒でも盛られたか?」

敵対組織に命でも狙われたのかと、ルルシーは鋭い声で尋ねたが。

「いや、そ…あれ、あれが」

俺は朦朧とする意識の中、テーブルの上に未だに残る劇物を指差した。

「…!?何だ、これは」

ルルシーは俺が指差す先の劇物を見て、ぎょっとしたような顔をした。

「まさかお前…これ食べたのか?」

「…」

必死にこくこく、と頷くと、ルルシーは信じられないという表情で。

「…馬鹿かお前。自分から滝壺に飛び込むような真似をして」

済みません。食文化の扉が開けるかと思ったんです。

今思えば無謀も甚だしいですね。

「とにかく、吐くだけ吐いたんなら、しばらく安静だ。シュノ、ちょっとソファー借りるぞ」

「え、う、うん」

ルルシーは俺をすっとお姫様抱っこで抱き上げ、ソファーに寝かせた。

俺の上着を脱がせて少し服を緩めてから、回復体勢を取らせて気道を確保。

さすがはルルシーである。手慣れている。惚れてしまいそうである。

ルルシーが来てくれたからには、もう大丈夫だ。

その安心感だけで、いくらかは気分がましになった。