The previous night of the world revolution

「いやはや、半日とはいえ、お休み出るとは嬉しいですねぇ」

俺は隣を歩くシュノさんに向かって話しかけた。

帝国騎士団と比べると『青薔薇連合会』は随分なホワイト企業ではあるが、やはり幹部という立場上、ややオーバーワークなところもある。

となるとやはり、休みは貴重なものであり、思わぬご褒美をもらった気分だ。

「何します?シュノさん。俺香水作りに行こうかと思ってるんですけど。良ければお昼一緒にどうです?」

俺の最近のお気に入りは、駅近くにある和食の高級レストランである。

要予約制だが、バックに『青薔薇連合会』がついてるので、俺の名前で一言言えば、二つ返事で貸し切りにしてくれることだろう。

しかし。

「…」

シュノさんは、俯いたまま無言だった。

…?

何だろう。俺と食事なんて願い下げか?

「えっと…。シュノさん?和食…和食のレストランに行こうかなーと。思ったんですが」

「…」

「…」

シュノさん、和食嫌いなのか?

それなら、別に…イタリアンでもフレンチでも、中華でも構わないのだが。

そもそも俺との食事が嫌?だとしたら…ちょっと切ない。

「シュノさん…?」

「…」

彼女は難しそうな顔で、しょぼんと俯いている。

これは…俺との食事に嫌悪感を覚えているのではなく。

何か…別のことを思案している?

「…わっ!」

「ひゃうっ!?」

あまりにも返事がないので、俺は彼女の正面に回って、大きな声を出して脅かしてみた。

するとシュノさんは、可愛い声を出して飛び上がった。

ようやく、気づいてくれたらしい。

「な、何…?」

「いや、お昼…一緒にどうかなと思ったんですが…」

「…お昼…」

「シュノさん、何でぼーっとしてるんですか?」

「…」

黙ってしまったシュノさん。

何か…悩みでもあるのだろうか?

体調が優れないとか?

「何かあったんですか?悩みがあるなら、俺で良ければ聞きますけど…」

「…」

「あ、でも俺じゃ頼りないなら…」

「…違う。そうじゃないの」

…俺が頼りない訳では、ない。

なら、何なんだ?

「…どうしたんですか?」

「…」

俯いて、何かを悩むような顔をして…。

それから、小さな声でシュノさんは言った。

「…私、何の役にも立たなかった」

ぽそり、と呟いたそれが、

シュノさんの、本音であった。