The previous night of the world revolution

「俺みたいな弱小貴族の出身じゃ、ここじゃ馬鹿にされるだけだからな。こっちが友好的に接してれば、少なくとも露骨に蔑んでくる奴はいないだろう」

「…」

「処世術って奴だ。弱小貴族も大変なんだよ。お前には分からんかもしれないけどな」

…まぁ、俺には一生分からないだろうけどね。

「そうですか。それなら勝手に頑張ってください」

「ちょっと待て。勝手に話を終わらせようとするな」

…まだ何か言いたいことがあるらしい。

「確かに俺は、仲良くする振りをしながらクラスメイトを心底軽蔑している。この糞野郎共めが、と思いながら日々生活している。それは認める。…でも、その事実をお前にばらされると、酷く困る」

あぁ、成程。

「黙ってろってことですか」

「そうだ」

要するに俺に口止めをしたいと。

そんなこと、いちいち釘を刺されるまでもない。

「心配しなくても、俺にはばらす相手もいなければ、それをばらすほどあなたに興味もありませんよ」

「…」

だから心配することはない。俺はそう伝えたつもりだったのだが。

ルキハは、物凄く不機嫌そうに顔をしかめていた。

…何だ。

「お前、冷めてると人によく言われないか?」

「言われませんね。そんなことを俺に言うほど、俺に興味がある人間は存在しません」

「じゃあ俺が言おう。お前は冷めてる」

「そうですか。初めて言われました」

冷めてる、か。

昔はこんなんじゃなかったんだけどな。

間違いなく、この五年間で心を破壊された影響だろう。

「とにかくクラスメイトにばらしたりはしないので、安心してください」

「分かった。それは信用する」

「…あぁ、ついでにもう一つ」

今、ふと思ったことを。

一応、伝えておくとしよう。

「あなた、今のが素ですか?」

「ん?あぁ、今は素だな」

そうだろうね。俺にはばれてるんだから、演技する必要はない。

「今の方が良いですよ」

「…」

「作り笑い、演技だと思ったら凄く気持ち悪いですから、あなた」

クラスメイトと話してるとき。冗談言って笑ってるときより。

今の方が、遥かに生き生きして見える。

俺はそれを伝えたかったのだが、ルキハはその言葉を聞いて、

「…そんなに酷いか?」

ちょっと傷ついたようだった。

それは心外だ。

「俺の目には酷いですけどね…」

「そうか…。精進しよう」

勝手に頑張ってくれ。



…このときは、これで終わったが。