The previous night of the world revolution

ハリネズミなんて、犬や猫と比べれば飼ってる人は少ないだろうし、ハリネズミの飼い方なんて、知っていなくたってちっとも恥ずかしいことではない。

けれども、困って、切羽詰まって、相談に来るのが俺なのか。

「…アシュトーリアさんには?」

「アシュトーリアさん、今日外でお仕事があるから…」

「アイズやルルシーは?」

「…相談しにくいんだもの」

それで巡り巡って、俺のもとに来たと。

…アイズやルルシーよりは、俺は相談しやすい人間ということか。

それって、シュノさんからある程度信頼を得ていると解釈して良いのだろうか?

「それに、ルレイアは頭が良いでしょ?」

「はぁ。まぁ勉強はそれなりに出来ますけど…」

一応貴族の出身だから、勉学だけは無駄に極めさせられた。

けれども、ハリネズミの飼い方なんてピンポイントな教育は受けていないのだが…。

ハリネズミなんていきなり持ってこられても困る、知らない、というのが本音ではあったが、すがるような視線を向けてくるシュノさんを見ると、とてもじゃないがそんなことは言えない。

家族が困っているのなら、解決策を共に探すのが道理というものだろう。

彼女が頼ってくれたのだから、最早一蓮托生である。

「…ひとまず動物を飼うなら、ケージとエサを用意しましょうか」

「エサって、この子何食べるの?ネズミだから…チーズとか?」

「どっちかというとそいつら、確かモグラの仲間らしいですから、基本的には昆虫でしょう。ミミズとかコオロギとか」

「昆虫…」

さすがに、ハリネズミの為に昆虫採集は厳しいよな。

「多分ペットショップ行ったら、ハリネズミ用のフードがあると思いますから。それを買ってきましょう。あとケージと」

「ケージなら、部下の家でこの子が入っていたものがある」

「じゃあケージはそれで。エサは…」

俺はくるりと後ろを向いた。

「エリュシア。ハリネズミのエサ買ってきてください」

「はい、主様」

エリュシアは素直に頷いて、ハリネズミのエサを買う為に出ていった。

こういうとき便利だよな、従者って。

まぁ、ハリネズミのエサ買う為にあの子を飼ってる訳じゃないけどさ。