意外なことに、これが天職であった。

剣術の才能もあればヘアアレンジの才能もあり、おまけに色事まで得意とは、俺はなんと多才な人間なのだろう。

思わず、そう自画自賛してしまうほどだった。

俺が主に得意としたのは、受け身のものではなく、女性相手の仕事であった。

要するに、金持ちの女を騙して満足させて、そして貢がせる。

ハニートラップの男女逆転バージョンと思ってもらえると良い。

つい最近まで童貞だったのが嘘のようである。

その仕事をするようになってから、俺はめきめきと業績を上げ。

結果、幹部にまで昇格した訳だ。

自分でもそんな才能があるとは思っていなかった。

最近の俺についてアリューシャは、「男でもぞくっとするほど、フェロモンだだ漏れ」と語っている。

どうやら女性からすれば、そのフェロモンとやらが堪らないそうで。

今のところ、俺が落とせなかった女性は存在しない。

勿論、吸い上げるだけ吸い上げ、利用価値がなくなれば、その相手は「処分」ないし縁を切るのだけど。

その点は、仕事として割り切っている。

とにかく今の俺は、そうやって生きていた。