The previous night of the world revolution

「あらまぁ」

別人のように変わったシュノさんを見た、アシュトーリアさんの第一声である。

「どうしたの?可愛くなって」

「ルレイアがやってくれたんです」

「へぇ?」

アシュトーリアさんは、シュノさんの後ろに控えていた俺を見た。

幸いなことに、殺気を滲ませた視線ではなかった。

良かった。

「ルレイア、こんな特技があったのね」

「俺が一番驚いてます。まさか自分がこんなに手先が器用だとは…」

「羨ましいわ。私もやって欲しいくらい」

それはさすがに、プレッシャーが。

「良かったわね、シュノ。とても綺麗よ」

「ありがとうございます、アシュトーリアさん」

にこやかに話す二人は、まるで仲の良い母娘のようであった。

実際ここでは、この二人はそういう関係なのだが。

親と仲が良くないどころか、あっさりと捨てられた俺としては、全く理解出来ない。

「ところで、シュノ。可愛くなったのは良いけれど、ルレイアの仕事ぶりはどう?」

え。ちょっと。

この流れで、何を聞いてる。

俺にとっては非常に恐ろしい問いである。これにもし、シュノさんが、お話になりませんね、なんて答えたら。

最悪俺の首が飛ぶ。

しかし、シュノさんは、

「…かなり良いです。よく気がつくし、仕事も早いです」

「そう。それは良かった」

…驚いた。

あからさまに俺を信用していなかったシュノさんが、手放しに俺を褒めるとは。

そんなに、この髪型が気に入ったのだろうか?

「それにしても可愛いわ。後で写真を撮ってちょうだい。デスクに飾っておきたいわ」

「はい」

シュノさんは嬉しそうに答えた。

更に、アシュトーリアさんは俺に向かって、

「ありがとうね、ルレイア。シュノを可愛くしてくれて」

「いえ…」

図らずもシュノさんの信用を得ることが出来たなら、結果オーライだ。