The previous night of the world revolution

その後アリューシャのもとに走り、メイク道具一式貸して欲しい、と頼んだ。

何故アリューシャがそんなものを持っているかというと、彼はメイクもすればマニキュアも大好きだからである。

別に女装好きという訳ではないらしく、単純に、「男でも化粧くらいして良いだろ。男女差別だ」とのことである。

あまりに潔くやるものだから、とても板についている。

ただし、口紅は派手に見えるからと、口紅だけはつけていない。

「アリューシャさん、ちょっとコスメ一式貸してください」

「お、何々?ルレ公も目覚めた?」

「目覚めたのはシュノさんです」

「おっけー。よく分からんけど持ってけ」

「ありがとうございます」

こんな気軽さで、アリューシャはコスメポーチを丸々貸してくれた。

アリューシャが貸してくれたコスメを使って、俺はネットでメイクの仕方を確かめながら、シュノさんにメイクを施した。

アリューシャは口紅を持っていなかったので、口紅は塗らずにリップグロスだけを塗った。

それでも。

「…俺が天才なのか、シュノさんの下地が良いのか…」

「…これ、本当に私?」

「そう聞きたくなる気持ちは分かります」

目の前にいる可愛らしい女性と、昨日までの、野暮ったい国旗少女が同一人物だとは、とても思えない。

写真…写真撮りたいな。ビフォーアフターで。

「ちょっと…アシュトーリアさんに見せに行きたい」

「良いですね。行ってみてください。綺麗だって言われますよ」

「あなたも来て」

「え」

俺も一緒に?

「あなたも来てよ。一緒に」

…そんな、きらきらした目で誘われたら、嫌とは言えない。

何より、上司命令だ。

「…分かりました。行きましょう」

万が一にも、うちの子に何を勝手なことを、と怒られたらどうしよう。

そう思わなくもなかったが、まぁ、そのときはそのときとしよう。